みなさん、こんにちは。

今回はリピーターの保険事務所様から、RAID(「レイド」と読みます)の復旧依頼です。

RAID1とは、ミラーリングとも呼ばれ、HDD2本に同じ内容を書き込む方式です。

これにより、片方のHDDが故障しても、もう一方で稼働できるというもの。

データが一瞬で無くなってしまう可能性はほぼ無くなりますので、

主にサーバーで採用されているシステムですが、パソコンにも組み込むことができます。

特に、このようなBTOパソコンの場合、

RAIDの採用といったカスタマイズが手軽に選択できるのも魅力ですね!

BTOパソコン

BTOパソコン本体

これだけでも、まずまずの耐障害性能がありますが、

それでもバックアップは大切です。

お客様は、ときどき片方のHDDを取り出してそのクローンコピーを取っておられたようです。

 

取り出したHDDをそのまま戻せば問題なかったのですが、

お話では、「間違えてクローンの方を戻してしまって、

OSが起動しなくなってしまった。」とのことで、復旧依頼となりました。

 

合計3本のHDDがあり、それぞれに同じ内容が書かれていると思いたいところですが、

OS起動不可ということは、RAIDの構成情報に齟齬ができてしまった可能性が高いです。

それで、外したことのない1本のHDDを信用することにして、復旧作業開始です。

 

STEP1:1本のHDDだけを接続した状態でRAIDの状態はどうなるか?

電源入れて少しして、この機種では Ctrl+I を押して、RAID専用のBIOS画面に入ります。

RAID BIOS画面

RAID BIOS画面

HDD

HDD

2本あるはずのHDDが1本しかないので、ステータスは

「Degraded」となるのが正解!

そして、画面に表示されるHDDが、たしかに現在接続されているHDDであることを

HDDのシリアルナンバー(S/N)から確認できますね。

さらに、そのHDDのRAID情報は保持されていることも分かります。

これで、このHDDのRAID情報は信用性OKです。STEP1クリア!

 

STEP2:このHDD1本だけでOS起動するか?

緊張の一瞬です。これがNGなら、復旧の可能性が激減しますから。

今回は、あっさりOS起動し、デスクトップ画面まで正常に出ることを確認できました!

STEP2もクリアできたので、お客様に中間報告し、

作業内容の最終確認をしました。

 

STEP3:もう1本HDDを接続し、RAIDを再構築っ!

さきほど出てきたクローンのHDDを初期化して、2本目のHDDとし

そこへRAIDを再構築することになりました。

今一度RAIDのBIOS画面で、2本目のHDDを初期化します。

この場合の初期化とは、データを消すだけでなく、RAIDの構成情報を初期化することを含みます。

間違えて1本目を初期化しないように、このような作業の時は

1本目のHDDはケーブルを外しておきましょう。

初期化が終わったら、両方のHDDを接続した状態で、もう一回RAID BIOS画面に入ります。

そうすると、自動的に「再構築しますか?」と尋ねてくるので、

再構築される2本目のHDDのシリアルナンバーを確認して、「Yes」を選択。

BIOS画面は抜けて、OSを起動させます。

そのまま待つこと、数時間・・・

RAID 再構築完了

RAID 再構築完了

再構築完了です!

各HDDにエラーが無いことを確認して

作業完了しました。